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 「OTAIKO響2004」
 〜オール・ジャパン太鼓打ちコンテスト(一本打ちの部)〜


何じゃかんじゃ言っても、結局は足を運んじゃうのが私。(^^ゞ

まず一番注目していたのは、二人の友人が参加する“一本打ちの部”でした。くじ引きにより演奏順位は決められたそうで、トップバッターは安藤さん、二番手に景山さん、三番手に岩本さん、四番手が原田さん、最後に我等が生田くんでした。

大太鼓以外に一人の伴奏者が認められていますが、こういったコンテストではここ近年伴奏者を伴わないスタイルが多くなっています。私も以前から大太鼓の一本打ちコンテストで伴奏者は必要ないという考えでしたから、この最近の流れは自然なことだと思っています。

今回5人中1人だけが伴奏者を伴っていましたが、その伴奏に長胴と締め太鼓を使っていたのが意外でした。私の中では、この様な場合は締め太鼓と大太鼓という最小限の組み合わせが暗黙の了解と思い込んでいたからです。その挑戦者の演奏は見事に上手かったです。しかし、一本打ちコンテストの伴奏と言うにはあまりにも出過ぎる音が、どうしてもしっかりとした綺麗なアンサンブルにしか聞こえないのです。また、大太鼓で力強く「ドーン」と行きたいだろう箇所に、伴奏者の長胴の音が被ることがほとんどで、そんなつもりで無いのでしょうが、残念ながら非力な部分を誤魔化してる様に映るのです。あの使い方なら大太鼓の良さが失われて当然でしょうな〜ヽ(´o`;)ノ

三番手の女性は、白い半股に青の法被に白鉢巻というオーソドックスなスタイルが、私の周りの聴衆の受けも抜群でした。若い女性だと思うのですが、コテコテの男性を思わせる味のある叩き方に身に付けた技術の高さと、地域に根付いた団体の中で努力してるのだろうと感じました。

二番手に登場の景山さんは、大太鼓のコンテストには常連だと聞きました。確かに、以前からコンテストには積極的な流派に所属の様で素晴らしい演奏でした。しかし、これまでコンテストに当然の様に定着していたスタイルである為、新しさの様なものは感じられませんでした。私がこれまで拝見したコンテストでも必ず上位を占めたスタイルですが、審査員の視点でもそろそろ一つの転換期を向かえそうな予感がしていました。

トップバッターのくじを引いてしまった安藤さんでしたが、開会式での虚ろな目が気になっていました。「あれ、どうしたんだろう?」って。彼女もこれまでの様々な挑戦で大舞台を踏んでいますが、どうしても様子が可笑しかったのです。少し前に何か迷いがある様なことを言ってたのですが、ひょっとして答えを出せずにこの日を向かえてしまったのでしょうか?昨年聞いた「翼」とは違い、自信が漲っていない背中が100%のコンディションでないことを容易に物語っていました。

最後に演奏したのが同じチームに所属の生田くんでした。思えば、彼が始めてコンテストに挑戦するという数年前に、「コンテストにはコンテスト受けする技術があるから」と、OTAのグランドチャンピョン大会の映像をプレゼントしたことがあります。正統派路線の彼でしたから、最初の挑戦の練習に立ち会った際にも、迷いというか消化しきれていない焦りの様な部分を感じていました。

その後も何度となくコンテストには挑戦していましたが、今回どのように曲を仕上げたのか全く知りませんでした。ですから、凄く新鮮な気持ちで鑑賞することが出来ました。演奏後の感触として、「これは、いけるかも知れない」と素直に思いました。恐らく最初は抵抗があったと思うのですが、コンテスト様の曲ならではのスパイスの効いた技法など見事に身に付け実践していたのです。

そして、審査発表の時がやってきました。まずは準優勝である織田町長賞の発表が・・・

アナウンサーが景山さんのお名前を読み上げた時、私は「よっしゃ〜!」とガッツポーズをしてしまいました。周りから見れば、まるで私は景山さんの知り合いを思わせる程のリアクションでした。なぜなら、生田くんの最大のライバルとしては、彼の存在の大きさを感じていたからです。つまり、彼が二位なら一位は・・・そう、それが確信に変わる時。鳥肌が立ちました。

「福井県知事賞は、三重県からお越しの生田隆明さん」

「うお〜!やったぜぇ〜っ!」

彼のこれまでの努力が報われた瞬間でした。その場に立ち会えたこと嬉しく思います。そして、その結果内容は我がことのように喜んでいます。

「次は○○ちゃんやね!」(えっ?わたし)

そう言い放つ生田くん。私が彼に続くかどうかはまた別の話。今は優勝の余韻に浸って下さい。

本当にお疲れ様でした!m(_ _)m

                                    2004.8.23記


 〜オール・ジャパン太鼓打ちコンテスト(団体の部)〜


1.(福井)福井県立福井農林高等学校 郷土芸能部
2.(長野)創作和太鼓集団 「大太」
3.(静岡)和太鼓 いぶき
4.(愛知)和太鼓 otogi
5.(兵庫)神戸市立神戸西高等学校 和太鼓部
6.(栃木)岩舟武蔵太鼓
                                  −以上 演奏順位−

1.地域の伝統芸能のエッセンスを多く取り入れた創作表現でスタートし、後半に向けてパッと場面を展開させ助六風の太鼓を最前列に、見事に雰囲気を変えていました。それに、所々で唄うのもいい味が出ていました。最後の最後では纏も登場し、奥深い郷土芸能に正面から向き合う若い世代の力強い姿が垣間見れたように思います。座明神の上坂さんが指導してるらしいですね。

2.左右に太鼓を配置した横打ちが特徴でした。時に一面を一人が、時に一面を二人が舞いながら打つスタイルでした。一般的な和太鼓のアンサンブルの配置に固執せず、長胴はすべて横打ちで、前列に低く、後列に高く並べていました。「三宅」として各地に定着してる横打ちの奏法ですが、このチームのスタイルは独自のものを完成させていると感じ、素晴らしかったです。

3.「いぶき」ってどこかで聞いた記憶があるのですが、残念ながら思い出せません。メンバーの中には以前からコンテストなど大舞台を踏む人が多いのか(違うかな?)、四人編成で他の団体の人数に比べると少し淋しい気もしますが、個々の技術の高さが伺えました。しかし、左右に櫓正面打ちの大太鼓、センターに組みセット、センター前列に座り締めという配置でしたから、曲の流れの中で左右の男性が正面を向いて打つ長胴のポジションがあり〜の、背中を向ける大太鼓への移動があり〜のでもいいかなと、個人的には思いました。だって、しっかりと正面を見据える打ち手が居なくて、せっかく素晴らしい曲なのに締りが悪い印象を受けるのです。

4.選手宣誓の時から気になっていましたが、以前「和太鼓 第一旭」で純平君と共に頑張っていた男性が立ち上げたのかな?終演後に話し掛けようと思いましたが、タイミングが合わず話せませんでした。曲の中では二人の組セットが他を引っ張るスタイルでしたが、途中で笑いのエッセンスが導入されていました。観る側は楽しかったのですが、コンテストの演出にしてはやり過ぎじゃなかったのかな?僅か七分間という限られた時間の中で、そのブレイクした時間は勿体無くも映るのでした。

5.松村先生のカラーが伝承されてるのを強く感じました。関西方面では珍しくないスタイルで、ひょっとすると「またあのスタイルね」と飽きられる傾向なのかも知れませんが、私が大好きなスタイルであることは揺ぎ無いかな。センターに組みセットがある最近のスタイルですが、そのポジションに被るように長胴が配置されているのが気にいりませんでした。だって、組太鼓のソロ打ちのパートでも全然目立ってないんだもん。

6.長胴の淵打ちで始まり、大太鼓以外の長胴はすべて多面打ちでした。要所要所を組みセットの締め太鼓のリズムで変化させていました。その組セットの男性のソロ打ちの場面では、音を変幻自在に操るといった印象で上手かったですね。さらに、演奏の途中で一部の伴奏者を除き、手拍子による簡単な舞い?踊り?が印象的でした。時々見かける演出ですが、意外と関東方面に多いのでしょうかね。

コンテストの結果
福井県知事賞 (兵庫)神戸市立神戸西高等学校 和太鼓部
織田町長賞  (栃木)岩舟武蔵太鼓


 (本人はあまり書くつもりはなかったのですが、掲示板からのリクエストに頑張って書いたこと了承願います。)

                                    2004.8.25記



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